マイクロスフィア スクリーニング法は、上田研究グループで開発された、環境微生物中から特にガス成分を産生する能力の高い微生物を選択的に分離精製する新技術です。
微生物の分離はこれまで、薬剤耐性や栄養依存性などにより不要な微生物が排除されることにより、生き延びた微生物だけを分離するという方法がほとんどでしたが、ガスの産生能力の大小だけで分離するこの方法は、スクリーニングのための特殊な培養条件を設定することなく、本来生息していた環境と同一の条件で分離することができます。一般的な微生物のみならず、極限環境微生物(極端な高温・低温、高圧・低圧、または高酸性・高塩基性環境に生息する微生物)に対しても適用できます。
本研究では、このマイクロスフィア スクリーニング法を用いて、水素ガスやメタンなどの燃料ガスを産生して自然エネルギーを供給する新規微生物、酸素を産生して環境浄化に貢献する新規微生物、二酸化炭素を吸収して温暖化防止に寄与する微生物、有毒ガスを吸収して分解する新規微生物などを探索しています。また、そのような微生物の空間分布を調べることで、生態系全体が持つ物質変換の経路を明らかにする研究も行っています。
研究トピック
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